据置型非常用発電機の設置条件とは?設置場所・離隔距離・関係法令を解説
2026.11.06
発電機
コラム

災害や停電への備えとして、工場や福祉施設、事業所などで導入が検討されている非常用発電機。必要な発電容量や燃料の種類に加えて、導入前に確認しておきたいのが「設置場所」です。据置型発電機は、建物の敷地内に発電機本体と燃料供給設備を設置し、建物の電気設備に接続して電力を供給するため、発電機本体の設置スペースを確保するだけでは十分ではありません。

発電機を設置し非常時に稼働させるためには、建物との距離、点検スペース、関係法令、燃料供給設備など、さまざまな条件を確認する必要があります。今回は、据置型非常用発電機の導入を検討する際に知っておきたい、5つの設置条件を解説します。

据置型発電機を屋外に設置する場合、まず確認したいのが周囲の建物との距離です。発電機はエンジンを使用する設備であり、運転時には熱や排気が発生します。そのため、火災予防の観点から、建物や周囲の工作物との距離について一定の基準が設けられています。例えば、消防用設備等の非常用電源として使用する自家発電設備では、屋外設置の場合、隣接する建物などから原則3m以上の距離が求められる場合があります。ただし、発電設備の構造や建物の外壁・開口部の仕様によっては、例外が認められる場合もあります。また、一定の基準を満たすキュービクル式発電設備などでは、設置条件が緩和される場合もあります。

「建物から何m離せばよいか」は、発電機の種類や設置条件、適用される法令のよって異なるため、事前の確認が必要です。

据置型発電機の設置では、発電機本体が収まるスペースだけでなく、操作やメンテナンスのための空間も必要です。例えば、発電機の周囲には次のようなスペースを確保する必要があります。

  • 操作盤の前で安全に作業できるスペース
  • エンジンオイルの交換や部品点検を行うスペース
  • 冷却・換気に必要な吸気口や排気口周辺の空間
  • 修理や部品交換の際に作業員が立ち入るスペース

必要な距離は、発電機の構造や関係法令、メーカーが指定する保守条件などによって異なります。特に、建物の壁際や狭い通路への設置を検討する場合は、発電機本体の寸法だけで判断せず、点検やメンテナンスに必要なスペースまで含めて設置場所を検討することが重要です。

据置型発電機を設置する際には、発電機の定格出力(kW)だけでなく、設置先の電気設備や使用目的によって、必要な手続きや保安管理の内容が異なります。例えば、内燃力を原動力とする発電設備では、出力10kW未満であることが「小出力発電設備」に該当するための基準の一つとなっています。ただし、10kW未満であっても、設置先が高圧受電設備を備えた施設である場合などは、電気事業法上の取り扱いが異なります。

「高圧受電設備」とは、電力会社から高い電圧で電気を受け取り、施設内で使用できる電圧に変換する設備のことで、工場や大型商業施設などで広く使用されています。こうした高圧受電設備を備えた施設や、一定規模以上の発電設備などは、電気事業法上「自家用電気工作物」に分類され、原則として電気主任技術者の選任や保安規程の届出などが必要になります。

また、消防用設備等の非常電源として使用する場合には、消防法令に基づく設備基準や点検なども関係します。さらに、設置する地域の火災予防条例によって、届出や設置条件が定められている場合もあります。

発電機の容量だけで必要な手続きを判断するのではなく、設置先の電気設備や使用目的を含めて確認することが大切です。

LPガスを燃料とする据置型発電機では、発電機本体に加えて、燃料を供給するための設備も必要です。LPガスの供給方法には、シリンダー容器やバルク貯槽などがあり、必要な燃料量や設置条件に応じて選定します。LPガス供給設備を設置する際には、高圧ガス保安法や液化石油ガス法など、適用される関係法令に基づき、主に次のような点を確認する必要があります。

  • LPガス容器や貯槽を安全に設置できる場所があるか
  • 発電機などの火気を取り扱う設備との距離を確保できるか
  • 容器の転倒防止や温度管理などの安全対策を講じられるか
  • 必要な運転時間に対応する燃料量を確保できるか
  • 貯蔵量や供給形態に応じた法令上の手続きが必要か

特に、LPガス容器と発電機との距離は、貯蔵量や適用法令によって条件が異なります。例えば、液化石油ガス法の対象となる一定の供給設備では、内容積20L以上の充てん容器について、容器を置く位置から2m以内にある火気を遮る措置が求められます。敷地の制約によって必要な距離を確保できない場合でも、適用される法令や設備条件に応じて、基準に適合した隔壁などの措置によって設置できる場合があります。ただし、すべての設備で同じ緩和措置が認められるわけではありません。

燃料供給設備の設置にあたっては、LPガス事業者に相談し、適用法令や必要な安全対策を確認することが重要です。

ここまで紹介した条件に加えて、据置型発電機の設置には、搬入経路や基礎工事、建物側の電気設備との接続なども関係します。例えば、十分な設置スペースがあっても、発電機を搬入するための経路が確保できなければ、クレーンなどによる搬入が必要になることがあります。また、発電機と建物の分電盤が離れている場合には、配線工事の内容や費用も変わります。導入前には、次の点を確認しておきましょう。

  • 発電機本体と周囲の離隔距離を確保できるか
  • 操作・点検スペースを確保できるか
  • 搬入経路や基礎工事に問題がないか
  • 騒音や排気が周辺環境に与える影響はないか
  • 燃料供給設備を安全に設置できるか
  • 建物の電気設備へどのように接続するか

こうした条件は施設ごとに異なるため、現地調査を行い、必要な設備や工事内容を確認したうえで導入計画を立てることが重要です。

据置型非常用発電機を導入する際には、発電機本体の性能や価格だけでなく、設置場所の条件も重要な検討項目です。建物との距離、点検スペース、電気関係の手続き、燃料供給設備など、確認すべき事項は多岐にわたります。また、これらの条件は、発電機の出力や構造、設置先の施設、使用目的などによって異なります。そのため、機種や設置場所を決定する前に、必要な設備と関係法令を確認することが大切です。

フジガスでは、可搬型から据置型までさまざまなLPガス発電機を取り扱い、必要な発電容量の検討から、LPガス供給設備の整備、電気工事、設置工事、保守まで、使用環境に応じた非常用電源をご提案しています。据置型非常用LPガス発電機の導入をご検討の際は、お気軽にフジガスまでお問い合わせください。

※本記事は据置型発電機の一般的な設置上の確認事項を紹介したものです。実際の設置条件や必要な手続きは、設備仕様、用途、適用法令、自治体の条例などによって異なります。

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