非常用発電機の価格・導入費用|本体価格だけではない費用の考え方を解説
2026.09.18
コラム

災害や停電への備えとして、工場や福祉施設、事業所などで非常用発電機の導入が進められています。大規模な災害が発生した場合、電力などのライフラインがすぐに復旧するとは限りません。事業や生活を継続するためには、停電時にも必要最低限の電源を確保しておくことが重要です。

しかし、いつ発生するか分からない災害への備えだからこそ、導入を検討するうえで気になるのが「導入コスト」ではないでしょうか。非常用発電機の導入費用は、発電機本体の価格だけでは決まりません。必要な電力や設置方法、燃料供給設備、電気工事などによって、発電機本体以外に必要となる設備や工事内容が変わります。

前回の記事では、kW・kVA・力率などをもとに「必要な発電機容量の考え方」を紹介しました。今回はその次のステップとして、非常用発電機を導入する際に必要となる費用と、予算を考える際のポイントを解説します。

非常用発電機の導入費用は「本体価格」だけではない

非常用発電機を導入するためには、大きく分けて次のような費用を考える必要があります。

  • 発電機本体
  • 発電機の設置・搬入
  • 電気工事
  • 燃料供給設備
  • 基礎・架台などの付帯工事
  • 導入後の点検・メンテナンス

ただし、すべてのケースで同じ工事が必要になるわけではありません。例えば、停電時に必要な場所まで発電機を運び、使用する機器に直接接続するケースと、発電機を建物の電気設備に接続して複数の設備へ電気を供給するケースでは、必要な設備や工事が大きく異なります。そのため、「○kVAの発電機だから○○万円」と本体価格だけで判断するのではなく、どの設備に、どのような方法で電気を供給するのかまで含めて考えることが重要です。


発電機本体の費用

発電機本体の価格を左右する大きな要素のひとつが「発電容量」です。必要な電力が大きくなれば、基本的には発電機も大型になり、本体価格も高くなる傾向があります。しかし、前回の記事で紹介したように、使用したい機器の消費電力を単純に合計するだけでは、適切な発電機容量を選定できない場合があります。

モーターを使用するポンプや空調設備などでは、始動時に通常運転時より大きな電力が必要になることがあります。また、使用する機器が単相なのか三相なのかといった電源の種類についても確認が必要です。まずは「停電時に何を動かしたいのか」を整理し、必要な発電容量を確認することが、適切な発電機を選ぶ第一歩です。

→「 非常用発電機の選び方|kW・kVA・力率から発電機容量の考え方を解説」はこちらをご覧ください

可搬型か据置型かで費用は変わる

非常用発電機は「可搬型」と「据置型」に分けられます。フジガスでは、可搬性に優れ、長期保管にも適したLPガスを燃料とした「非常用LPガス発電機」を取り扱っています。

可搬型は、必要なときに発電機を持ち運び、使用したい場所で電源を確保できるタイプです。可搬型というと比較的小容量の発電機をイメージするかもしれませんが、ラインアップはさまざまです。単相出力だけでなく先日新たに登場した「GeNico70」のように、三相出力に対応した機種もあり、照明や通信機器、冷蔵庫などに加え、業務用冷蔵庫やポンプ、各種業務用機器などへの給電に対応した製品もあります。可搬型の大きな特徴は、持ち運べることに加え、発電機のコンセント等から使用する機器へ直接接続する構成であれば、大掛かりな電気工事を行わずに使用できることです。

一方、大容量の可搬型発電機では、切替開閉器などを介して建物の既存設備へ電気を供給する構成も可能です。この場合には、切替開閉器や非常用分電盤、配線工事などが必要になるため、発電機本体とは別に工事費用を考える必要があります。

据置型は、あらかじめ決められた場所に発電機を設置し、停電時の電源として使用するタイプです。建物の設備へ電気を供給するには、発電機本体だけでなく、電気配線や切替設備、基礎などが必要になる場合があります。また、大型の発電機では、搬入経路や設置スペースについても事前に確認しなければなりません。そのため据置型では、発電機本体だけではなく、設置場所や建物側の設備を含めた導入計画を立て、設置・工事費用まで含めて予算を考えることが重要です。

電気工事の費用

建物の設備を非常用発電機で動かす場合、電気工事も導入費用を左右するポイントになります。例えば、停電時にも使用したい回路を非常用分電盤へまとめ、平常時は商用電源から施設へ電気を供給し、停電時には発電機側へ切り替えて電気を供給する方法があります。必要となる工事には、

  • 発電機と建物を接続する配線
  • 切替開閉器の設置
  • 非常用分電盤の設置
  • 既存回路の移設
  • 発電機接続口の設置

などがあり、施設によって内容はさまざまです。

同じ容量の発電機を導入する場合でも、発電機の設置場所と分電盤の距離、既存設備の構成、停電時に使用する回路数などによって工事内容と費用は変わります。

燃料供給設備の費用

非常用発電機では、使用する燃料によって必要な設備も変わります。既存のLPガス供給設備を利用できる場合もありますが、新たに供給設備を設ける場合には、LPガス容器(シリンダー)の設置場所を確保し、シリンダーから発電機まで、ガス配管を整備する必要があります。さらに、発電機の燃料消費量と必要な運転時間を確認し、それに応じた燃料供給設備を計画したうえで、燃料供給設備を設置する予算を考えましょう。

設置・基礎・搬入などの付帯費用

据置型発電機を設置する場合には、発電機を安定した状態で設置するための基礎が必要になることがあります。また、発電機は重量物となるため、設置場所によってはクレーンなどを使用して搬入するケースもあります。こうした基礎工事や搬入作業も、導入費用を構成する要素のひとつです。発電機を設置するにあたっては、以下の点を事前に確認しておきましょう。

  • 発電機を設置できるスペースがあるか
  • 搬入経路を確保できるか
  • 排気や騒音への配慮が必要か
  • 燃料設備を設置できるか
  • 建物の分電盤までどのように配線するか

発電機の設置場所によって付帯工事の内容は変わるため、現地調査を行ったうえで導入費用を算出することが重要です。

導入後のメンテナンス費用も考える

発電機は、導入して終わりではありません。大切なのは、いつ発生するか分からない停電に備え、必要なときに発電機を使用できる状態を維持しておくことです。

非常用LPガス発電機の場合、LPガスそのものは劣化しにくく、長期保管が可能ですが、発電機の心臓部であるエンジンを保護するエンジンオイルは、経年劣化してしまいます。そのため、定期的な油量の確認や交換が必要です。また、セルモーターでエンジンを始動するタイプの発電機では、搭載されているバッテリーも重要な部品です。バッテリーが劣化し、セルモーターを十分に回すことができなければ、燃料が確保されていてもエンジンを始動できない可能性があります。

こうした事態を防ぐためにも、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。発電機の導入にあたっては、初期費用だけでなく、1~2年ごとの点検や消耗品交換などを含めた維持管理費用もあらかじめ考えておくことが、長期間運用するうえで重要です。


まとめ:非常用発電機は、設備全体で導入費用を考える

ここまでに説明してきた通り、発電機の導入費用は、本体価格だけでは判断できません。必要な発電容量に加えて、可搬型・据置型の選択、電気工事、燃料供給設備、設置工事、そして導入後のメンテナンスまで含めて検討する必要があります。だからこそ、最初から機種を決めてしまうのではなく、

「何を動かしたいのか」
「何時間動かしたいのか」
「どの程度の予算を想定しているのか」

を整理したうえで、設備構成を検討することが重要です。また、設備の設置にあたっては、用途や設備の規模、設置条件などによって、消防法令、建築基準法令、電気事業法令、自治体の火災予防条例などが関係する場合があります。例えば、消防用設備等の非常電源として使用するのか、建築設備の予備電源として使用するのか、燃料をどのように貯蔵・供給するのかによって、求められる設備や設置条件、点検などは異なります。

そのため、発電機本体の価格だけで予算を決めるのではなく、計画段階から設置条件や関係法令を確認し、必要となる工事や維持管理まで含めて費用を検討することが大切です。そのほかにも、施設や導入条件によっては、設備の導入に補助制度を活用できる場合があります。関係法令や補助金については、今後の記事で詳しくご紹介してまいります。

フジガスでは、非常用電源をはじめ、施設や事業所が抱えるさまざまな課題に合わせた製品・設備をご提案しています。今後も、季節ごとの課題や利用環境に応じた製品選びに役立つ情報をご紹介していきます。非常用LPガス発電機の導入をご検討の際は、フジガスまでお気軽にお問い合わせください。

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